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家に帰ると、今日の素晴らしい出会いを思い返した。
夢に王子様が出てきたと思ったら。
本当に、素敵な理想の王子様に出会い…
これはまさに、夢のお告げ!!
…そういや、やけにリアルだった夢の中のキス。
なんか、感触が残ってるような…
はっ!!
まさかまさかまさか…
王子様が、寝てる私に…!?
いや、ないな。
そんな漫画みたいな事あるわけない。
…なんて思いながら、にやける私の頭に突然、容赦ない鉄拳が落ちた。
「いったぁ!」
頭を押さえて、涙目になりながら、鉄拳の主を睨む。
「お前、さっきからキモイ」
「…っるさいなぁ」
まだ拳を作ったまま背後に立つのは、2つ年上の兄・香月透真【カヅキトウマ】。
私がこの春から通う高校の生徒会役員をしてる。
「お前、今日、倒れたろ」
「あー…うん」
「意地張って、ちゃんと飯食わねーからだ」
「何、心配してくれたの?」
「アホか。お前が倒れたら俺が恥かくだろが。倒れるなら余所で倒れて、野垂れ死ね」
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