第1話

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*** 家に帰ると、今日の素晴らしい出会いを思い返した。 夢に王子様が出てきたと思ったら。 本当に、素敵な理想の王子様に出会い… これはまさに、夢のお告げ!! …そういや、やけにリアルだった夢の中のキス。 なんか、感触が残ってるような… はっ!! まさかまさかまさか… 王子様が、寝てる私に…!? いや、ないな。 そんな漫画みたいな事あるわけない。 …なんて思いながら、にやける私の頭に突然、容赦ない鉄拳が落ちた。 「いったぁ!」 頭を押さえて、涙目になりながら、鉄拳の主を睨む。 「お前、さっきからキモイ」 「…っるさいなぁ」 まだ拳を作ったまま背後に立つのは、2つ年上の兄・香月透真【カヅキトウマ】。 私がこの春から通う高校の生徒会役員をしてる。 「お前、今日、倒れたろ」 「あー…うん」 「意地張って、ちゃんと飯食わねーからだ」 「何、心配してくれたの?」 「アホか。お前が倒れたら俺が恥かくだろが。倒れるなら余所で倒れて、野垂れ死ね」
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