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「ヤバイヤバイヤバイ!この歳で迷子と遅刻はとにかくヤバイ!!」
ルシエルは冷や汗を流しながらオロオロとグラウンドを往復していた。
「あの~ルシエル・パーシエルさんですか?」
ルシエルがオロオロしていたら後ろから美少年が声をかけてきた。
「そうだが……おぬしは誰だ?」
「私はカイル・アインツホーフェンです。」
美少年は礼儀正しく礼をして、ニッコリと笑った。
その笑みを女子が見たら一撃にて惚れてしまうほどの笑みだった。
(カイル・アインツホーフェン?どっかで聞いた事があるような、ないような………ま、まさか!?)
「おぬし、まさか【氷の貴公子】か!!?」
氷の貴公子-----聖天の守護者に所属し、その力は堂々のSSランクに位置しており、その戦いぶりは芸術を思わせる戦いで評判だ。
「はい、そうとも呼ばれてもおります。この度はルシエル様とご一緒の任務に就けて光栄の極みでございます。」
カイルは動作の一つ一つが優雅で男でも見とれてしまいそうなほどであった。
「て事は、おぬしがくそジジィの言ってた他のメンバーなのか?てか俺ってそんなに偉いのか?……普通はランクが下である俺が敬語を使うはずなのだがな……」
「いえいえ、ルマハル様の直弟子であるルシエル様は言わばギルドで二番目に権限があるのですよ?」
(えっ?俺って結構偉いのか?……今度ジェシカに無理難題を押し付けて日頃の恨みをはらしてやる!)
心の中でジェシカに復讐しようと考えたルシエルだった
「ルシエル様、そろそろ時間が………」
「そうだった!早くせんと入学式に遅れる!!」
ルシエルは全速力で走っていった。
「ルシエル様!そっちじゃありませんよ!反対です!」
カイルの叫びも虚しく、ルシエルは消えてしまった。
その後ルシエルが入学式に遅れたことは言うまでもないのだった。
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