住む世界の違う2人

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スナックのアルバイトは特に問題もなくお客さんと楽しく会話してその日は終わった 「まひるちゃんお疲れ様、じゃあ次は金曜日にお願いね」 店長から封筒を受け取る 疲れてタクシーで帰ろうかと思ったが歩いても15分位の距離だ。 ブラブラと歩いてコンビニに寄ろうとした時だった 「千恵?」 止まってる車から声をかけられた。 見ると健ちゃんだった。 白塗りのベンツ 奈美がヤクザはお金があるって言ってたけど本当なんだ 「こんな時間に1人で何やってんだよ」 「アルバイトの帰りなの」 「アルバイト?」 「週2回スナックでアルバイト始めたの」 「だって昼間働いてるんだろ?なんでまた夜も?」 「昼間の給料じゃ欲しい物も買えないわ。 飲みにも行けない。だからバイト始めたの。 健ちゃんみたくベンツ乗り回す人には貧乏人の苦労はわかんないかもね」 「別に俺だって金持ちってわけじゃないけどな…千恵、送ってやるよ、乗れ」 一瞬迷う 住む世界が違うんだしあまり関わらない方がいい 好きな気持ちを一生懸命に抑えて忘れようとしていた でも誘惑に負けてしまった 私はこの時にはもう健ちゃんを好きになってしまってたと思う 今まで生きてきて一番愛した男 今まで生きてきて一番憎んだ男 中村健司
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