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私と奈美は北海道の富良野と言う小さな町のホテルに勤めていた。
でも田舎で遊ぶ所もなく毎日がつまらなかった
どちらからともなく札幌で働きたいよね、と話しが出て年内いっぱいで富良野のホテルを辞めて2人で札幌に出てきた
敷金や礼金、家財道具を半分ずつ払い2人暮らしを始めた
私は飲食店に就職。
奈美はあっさりと水商売の世界に入った。
生活パターンが違うのでたまに喧嘩になったりもしたが、それでも私達は一緒に暮らしていた
そんなある日
深夜遅くに奈美が帰ってきた
私は次の日が休みだったのでたまたま起きていた
「今日さ、仕事帰りにこの前のブルーって店に飲みに行ってきたんだ」
私は内心面白くなかった
2人で見つけた店なのに奈美だけが行く事に嫉妬した
「誘ってくれたらよかったのに」
「ごめん、寝てるかと思って気を使ったつもりなんだけど、来週また一緒に行こう」
奈美は楽しそうにブルーでの話しをする。
私はつまんなかった。
富良野のホテルで一緒に働いていた杉本優花と言う人がいる。
優しくて私は姉のように慕っていた
優花さんにメールを打ち奈美の話しをして、自分が正直おもしろくない気分だと言った
「千恵ちゃんはお昼お勤めで給料だって高くないんだから、水商売の奈美ちゃんと同じように遊んでちゃ自分がだめになるわよ」
「確かにそうですね…奈美は私の何倍も給料あるし。
張り合っても仕方ないですよね。
優花さんまた愚痴聞いてくれますか?」
「もちろんよ。たまには富良野にも遊びに来てね。
司も心配してるわよ。
都会には魔物が住んでいるって(笑)
オーバーよね」
でも司くんの言うとおりだったんだ
すすきのには健司と言う名の魔物がいた。
そして私は健司の怪しい魅力のとりこになってしまうまで時間がかからなかった。
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