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次の週
私は奈美とまたブルーに行った
驚いたのは奈美は従業員全員とすっかり仲良くなり友達みたいに打ち解けていたのだ
きっと私に隠れて何度か来ていたんだと思う
水商売だからそれぐらいの飲み代は軽く出せるんだろう
特にブルーは安い店だ。
5千円位で充分飲める。
「千恵ちゃんは久しぶりだね」
良樹が言う
「私OLだから…そんなにお金ないのよ」
なんだか惨めだった
「ねぇ悪いんだけどさ、カウンターに移ってもらっていいかな。これから団体が来るんだ」
私達はカウンターに座った
これが健司との出会いになるなんて…
カウンターに座って飲んでると5分位した頃に1人の男性がきた
「おっ!健ちゃん久しぶりじゃない?」
常連らしく店の人もみんな親しげだ
それどころか他の席の女性客まで「健ちゃん全然連絡くれないじゃなーい」と甘えた声ですり寄る
「色々忙しいんだよ。そのうち連絡するから」
「あっ!健ちゃんじゃん!」
違う席からも手を振る女の子がいる
はっきり言って従業員よりも人気?
健ちゃんは私の隣に座った
「店長ビールちょうだい。店長も飲んでよ」
「千恵ちゃんおかわり作るね」
空になったグラスに店長がお酒を作る。
「千恵ちゃんって言うの?俺は健司、みんな健ちゃんって気軽に呼ぶよ。
千恵ちゃんかわいいね…」
なんだか奈美はつまんなそうにしている。
私は慌てて「友達の奈美、すごくかわいいでしょ」と言った。
「奈美ちゃんも乾杯!」
健司は奈美をかわいいと言わなかった
私は少しだけ優越感に浸った
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