朝の月

出会い

次の日から私は健ちゃんの事が気になり出していた

ブルーに行けば会えるかも

でもお金がきつい。

「ねぇ奈美…水商売って難しい？」

「うちは常連客の多い小さな店だからお客さんも優しいけど、その代わり給料も安いよ」

「いくらもらってるの？」

「7時～1時までで12000円。でもスーツも何枚か必要だし普通はタクシー代もかかるからね。
私達はたまたま、すすきのから歩ける距離だからタクシー代はかからないけど」

「12000円…すごいね！私なんて１ヶ月働いて17万たよ！」

「千恵も水商売やればいいのに。
いい客ゲットできたら給料も上がる店もあるし。
大きい店はノルマあるから小さい店の方がいいかもよ」

12000円もらえるなら毎日ブルーに行ける

毎日行けばいつか健ちゃんに会えるかもしれない。

そんな単純な理由で私は水商売をやってみたい気持ちになっていた。