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ブルーに行くとなんだかいつもと雰囲気が違う
奥には男女交えて20人位の団体客が来ていた
見るからにヤクザとどこかのクラブにでも働いてそうな水商売のきれいな女の子達
「千恵ちゃん!こっちのカウンターに座って」
私は団体客から一番離れた入り口に近いカウンターに座らされた
従業員も気を使う客らしくみんな他のお客さんに構う暇もないぐらいヤクザの団体客の接客に忙しくしていた
一段落ついた頃、一番新人の達也が私の所に来た
「ずっと1人でつまんなかったでしょ。乾杯しよう」
ビールを取り出し飲んでいた
本当に美味しそうに飲んでいる
「あの団体客ってたまに来るの?」
「うん、健司さんの組の人達なんだ。
健司さんが1人で来るのはいいけど、あんな人数で来られたらちょっとね…
他のお客さんの手前もあるからさ」
健司の組の人?
「健ちゃんってヤクザなの?」
「え?千恵ちゃん知らなかったの?」
「だってそんな話し聞いた事なかったし」
私はショックだった。
てっきり水商売関係の人だと思いこんでたからだ。
2人で話し込んでるといきなり後ろから誰かが肩を組んできた。
振り向くと健ちゃんだった
「よぅ!今日は1人?」
「うん」
「健司!何ナンパしてんだよ!」
誰かが冷やかしの声をかける
一緒にいる女の子の1人が私を睨んでいた。
「早く戻った方がいいよ」
なんだか私は惨めな気持ちになりその日は早めにブルーを出た
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