出会い頭でバッサリ!

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牛乳を飲み干し、食パン片手に玄関から飛び出した。数歩走った後に、鍵を締め忘れていることに気付き再びタイムロスをとられる。 正直間に合うはずなんてなかった。何故なら講義は九時からなのだから。家から大学までおよそ一時間。まず間に合わない。 でも、急ぐことに意味があるんだっと何か正義感に満ちた気分でとりあえず早く大学に着くように試みた。 鍵を締めた後、階段を駆け上がり、廊下を颯爽と駆け抜ける。七月の生暖かい風が頬を撫で付けた。 俺は漫画やテレビのよくあるシーンのように食パンを口に挟んでみた。そして再び走る。急いでいる自分が面白おかしく感じた。テレビのベタなシーンを再現しているようで。 正直大学のテストなんて今となっちゃあどうでも良かった。どうせ間に合わないのだから。 それよりも今望んでいることがある。いつものことだけど、俺は何かを期待していた。平凡な毎日に突如として起こるハプニング。 それは必然ではなく、偶然。 しかし、今日は何かあると直感的に感じとっていた。なんだろう……。第六感?虫の知らせというやつか。よくわからないけど、何か起こると思った。 相変わらず走る。食パンをくわえながら。頭の中にはあるシーンが映像化して流れていた。それはテレビや漫画でよくあるシーン。 運命の出会いというやつだ。
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