私とバレーボール

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私には中途半端な才能があった。 だからみんな期待した。 中学三年 進路を考えるようになった頃には既に私の足元には私の意思とは関係なく"バレーボーラー"というレールが敷かれていた。 いくら泣いても無駄だった。 私は中学生ながら自分がどれだけ半端なプレーヤーか知っていた。 私の才能は身長だけ。 高校に入ればこんなでかいだけの選手はごろごろいる… だからこそ今まだ期待されてる状態で… 綺麗な状態でやめていたかった。 期待を裏切るくらいならバレーなんてしたくない。そう思っていた。 そして私は普通の学生生活が送りたかった。 みんなとおんなじ時間に学校にいきおんなじ時間に帰りたい。 放課後みんなで集まって途方もない話をしたい。 それが中学生の私のささやかな夢だった。
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