3人が本棚に入れています
本棚に追加
地下鉄が着くのを待っている時、
信号が変わるのを待っている時、
階段を降りている時、
……思うことがある。
この一歩を踏み出してしまえば、「コノ世」とおさらば出来るのでは、と。
結局、その一歩を踏み出さずに終わるのは、そうしてしまったら悲しむ人がいるからだ、と考える。
…でも、それって偽善。
そうしたいのは「ワタシ」なんだから、他人のことまで考えるのは変。
じゃあ…死なずに終わって、一生車椅子になってしまうからだ、と考える。
こっちの方が正直。
でも、ちょっと理由が弱い。
おさらばすることを本気で考える人っていうのは、もし死ななかったらどうしようなんて考えないから。
それなら…きっと、死ぬのが怖いから。
多分、そう。
もちろん、人を悲しませたくないし、死ななかったら「イヤだな」、とは思うけど、一歩を踏み出せないのは怖いからだろうね。
それを認めちゃうと、あぁ…結局「ワタシ」は一歩を踏み出せないんだって気付く。
……うん、それでいい。
いつか「コノ世」と別れる日が来るまで、それでいいや。
最初のコメントを投稿しよう!