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僕は寺脇君と対峙した。
本当は今すぐ逃げ出したかったけど、遥をおいては逃げられない。それに遥にそんな格好悪いとこなんて見せたくない。
だから、僕は精一杯寺脇君を睨み付けた。
寺脇君も予想外だったのか驚きと恐怖が入り交じった表情で、目だけは僕を睨み付けていた。
沈黙が流れる。
木々がざわめく。
日が落ちる。
闇が支配する。
僕は今か今かと寺脇君を押さえ付けるタイミングを見計る。
その時だった。
僕の後ろ……遥のいる方から小さな音がした。見ると、小さなネコ。
振り向いた時には、寺脇君は僕に飛び掛かっていた。
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