睨み合う二人

2/4
前へ
/21ページ
次へ
僕は寺脇君と対峙した。 本当は今すぐ逃げ出したかったけど、遥をおいては逃げられない。それに遥にそんな格好悪いとこなんて見せたくない。 だから、僕は精一杯寺脇君を睨み付けた。 寺脇君も予想外だったのか驚きと恐怖が入り交じった表情で、目だけは僕を睨み付けていた。 沈黙が流れる。 木々がざわめく。 日が落ちる。 闇が支配する。 僕は今か今かと寺脇君を押さえ付けるタイミングを見計る。 その時だった。 僕の後ろ……遥のいる方から小さな音がした。見ると、小さなネコ。 振り向いた時には、寺脇君は僕に飛び掛かっていた。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加