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前を行った健人が友達と話し始めたから私は少し歩を緩めて、二人と間を開けた。
健人とその友達は楽しそうに笑っていた。健人の笑顔は、私といる時の笑顔とは少し違って、それだけで私は嫉妬してしまう。
でも、私は大丈夫と自分の心に言い聞かせた。
健人は私の願いを叶えてくれると言ってくれた。
私の顔がニヤけるのが自分でもわかった。やっぱり健人は私を愛してくれている。
……それにしても……
私の心にあるものが引っ掛かる。それは健人の隣りを歩いている、健人の友達のことである。
確か、少し噂になっている人だ……
友達が話しているのを聞いたことがある。噂の内容までは聞こうと思わなくて、知らないけど。
でも、健人が悪い人と友達なはずないからきっといい人で、きっと噂も良い噂だ。
私は健人の後ろ姿を眺めながら学校への坂道を上った。
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