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俺達は夢馬と別れてから飛び続けていた。
俺達は広い平原らしき場所を眼下に飛んでいた。
『ここはどこなんだ?』
夜が明け始め、眼下に広がる平原を見下ろしながら言った。
「私の推測ではクフォレンス高原。」
『推測?』
「ええ。私達がいた場所から西に45度の地点はクフォレンス高原なの。」
俺はここで一つの疑問が頭に浮かんだ。
『なぁ、俺達は何を指針に移動しているんだ?』
夢馬の森に入った時も、サラはその森が夢馬の森だと知らずに歩いていたみたいだった。
俺は、サラが地図か何かを頼りに進んでいるものだとばかり思っていた。
「何?いまさら?」
確かに今更と言えば今更かも。
「これ。」
そういって差し出されたのはコンパスのような物だった。
ただし、針は2本あって一つはS・Nと刻まれ、もう一つは片方に赤い印があるだけだ。
『お前、色々変なもの持ってるな。』
「ちょっと!変なものとか言わないでくれる?私は都合上こういう物をよく造るのよ。」
『よく造る?』
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