prolog~紅~

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prolog~紅~ 辺り一面には、肉片と血しか見えなかった。 視線を落とすと、腕の中には最愛の人の頭だけがあって、見るも無惨な状態になっていた。 体を探そうにも、周りの肉片はぐちゃぐちゃに切り刻まれていて判別のしようもない。 「詩乃…詩乃、なんで詩乃が…こんな…」 女の頭に問い掛ける。 手の震えで、頭は応えもなく形を崩した。 「殺してやる…!」 声が虚しく、空間にこだました。
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