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「オイ、愛音っ!!」
俺は反応の無い愛音に、声を荒げて、もう一度彼女の名前を呼んだ。
「―――へっ?!」
ビクッと体を震わせ、驚いた様子の愛音。
どうも様子が、いつもと違う。
「お前、どうした?」
俺は彼女の目線に合わせながら、尋ねた。
「何にも無いよ?気のせい…ただの気のせい!!」
そんな事を言いながら、俺と目を合わそうとしない。
「――ぇと、あ!私、着替えて来るからっ!!!!」
そう言うと、スタッフルームへと駆け出して行く。
「愛音チャン、メチャクチャ不安がってたんだぞ。」
渓汰先輩が、溜め息混じりに今日の報告してくれる。
「接客どころじゃなかったんだから!!しっかりしなさいよ、永遠っ。」
胡桃は、俺への説教だな。
「……あぁ。」
やっぱり、彼女を不安にさせていた自分が、本当に腹立たしく思う。
いつだって、彼女には最高の笑顔を向けて欲しいと思うのに――…。
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