ボクの憂鬱。

21/21
774人が本棚に入れています
本棚に追加
/583ページ
「オイ、愛音っ!!」 俺は反応の無い愛音に、声を荒げて、もう一度彼女の名前を呼んだ。 「―――へっ?!」 ビクッと体を震わせ、驚いた様子の愛音。 どうも様子が、いつもと違う。 「お前、どうした?」 俺は彼女の目線に合わせながら、尋ねた。 「何にも無いよ?気のせい…ただの気のせい!!」 そんな事を言いながら、俺と目を合わそうとしない。 「――ぇと、あ!私、着替えて来るからっ!!!!」 そう言うと、スタッフルームへと駆け出して行く。 「愛音チャン、メチャクチャ不安がってたんだぞ。」 渓汰先輩が、溜め息混じりに今日の報告してくれる。 「接客どころじゃなかったんだから!!しっかりしなさいよ、永遠っ。」 胡桃は、俺への説教だな。 「……あぁ。」 やっぱり、彼女を不安にさせていた自分が、本当に腹立たしく思う。 いつだって、彼女には最高の笑顔を向けて欲しいと思うのに――…。
/583ページ

最初のコメントを投稿しよう!