私の憂鬱。

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「あ…はいっ!」 急にその男性客から声を掛けられ、無意識に動揺してしまった私。 近くでよく見ると、俗に言う美少年らしき容姿。 日本人離れした、白く透き通った肌に、襟足が少し長いストレートな髪質、そして金髪に近い明るい髪色。 それに、瞳の色が漆黒ではなく、ブルーとまではいかない色素の薄いグレーの瞳。 《外人っぽい…けど、日本人さが強いなぁー。》 そんな事を仕事中だというのに、ボンヤリと思っていた。 「あのー…」 「――っ、あ!はいっ!!」 突然声を掛けられ、現実に引き戻された私は、かなりの挙動不審ぶりだろう。 《いけない、いけないっ。つい見取れてしまった。》 一方の男性客というと、何かを言いにくそうに、言葉を躊躇っている様に見える。 《――何だろう?》 .
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