私の憂鬱。

9/18
前へ
/583ページ
次へ
「――あの、貴女は… "樋口 愛音"さんですよね?」 「へっ……?!」 私は驚きのあまり、間抜けな顔で、腑抜けた声をあげた。 だってこんな美形な知り合いは、身に覚えが無い。 誰かと間違え…いや、私の名前をハッキリ言ったし。 「そうですけど、貴方は?」 失礼だとは思ったが、そう尋ねてみた。 「やっぱりっ!やっぱりそうでしたか!!」 そう言うと、目を真ん丸くしながら、嬉しそうに笑みを浮かべる。 私には、話の筋が見えて来ない。 「えっ、と?」 「すみませんが…今日は、貴女の質問に答える事が出来ません。」 「は、い??」 益々、意味が分からない。
/583ページ

最初のコメントを投稿しよう!

775人が本棚に入れています
本棚に追加