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明日が来なければいいと幾度となく思い、目を覚ます。しかし神はそんな願いを打ち消すように人に明日を与える――…
8時。
「朝か…」
ポツリと呟くと彼は、その重い身体を引きずるように起きた。
(学校、だりぃな…サボるか…)
まだぼーっとする思考回路の中で思ったのは、そんなことだった。
彼は、そう決めると二度寝を始めた。
ピンポ~ン
呼び鈴を鳴らす音が聞こえる。
ピンポンピンポンピンポンとその音は何回もこだました。
しばらくするとその音は鳴りやみ、次にバタンッと音がした。その次はドタドタという音が聞こえたかと思うと、勢い良くドアが開いた。
「コラ――っッ!!」
かんだかい女の声は、部屋中に響いた。
「いつまで寝てるの?遅刻するよ!!」
女はそう言うなり、彼の布団をはぎとった。
「葉子…」
彼は女を見るなりげんなりとした口調で、呼んだ。
「なに?」
一方葉子と呼ばれた彼女は、完全にキレた口調で、だけど極めて冷静な声で答えた。
「なにしに来た?」
彼は、完全に葉子の存在をうざそうに言った。
「私は、寝起きがとても悪く、放っておけば高校を何度もサボる、須屋進君を起こしに来ました☆」
「帰れ」
進は、葉子に冷たくそう告げた。
「イヤ!これは幼なじみたる私の仕事でもありあんたの両親との約束でもあるんだから!今日という今日は絶対学校行かせる!」
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