第1章 須屋 進

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「俺は今日はサボる。邪魔するな」 進はそう言うとまた布団に転がった。 「あんたねぇ、今日はって…それいつもじゃない!!このままじゃ高校卒業出来ないよ!」 強気な口調で葉子が返す。 「別にどーでもいいし…」 葉子は心の中で悪態をついた。進はなにかあるとすぐにどーでもいいと言う言葉で逃げ出す。昔から知ってるクセだが最近は特にヒドイ。 「はぁ…」 深い溜め息をつく葉子。ここでいつもなら諦めて自分だけ学校に行くのだがもう8時20分、今から行ったらどんなに走ろうが絶対遅刻。 「そっか、じゃあ私もサボるわ」 「は?」 進は思わず聞き返す。 「だから私もサボるから。だってこれから行ったら絶対遅刻だもん。怒られんのやだし」 そういうことだからと葉子は早口で言うと鞄から携帯を取り出し、メールを打ち始めた。 「よし。学校への連絡終了」 それだけ言うと携帯をパタンと閉めた。 「せっかくサボったんだからさ、どっか出掛けない?」 沈黙。 「お前…なにが狙いだよ…」 進はしばらくするとそう葉子に返した。
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