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「あらあら~?賑やかねぇ」
「はははっ!結構、結構」
そんな二人の争いを止めようとクロードが割り込んでいると、扉が開く音と共に明るい声が部屋に響く。
黒いコートとワンピースに身を包んだ見慣れた顔。
「ヴァンさん、マリアさん!笑ってないで手伝って下さいよ!」
暴れるミアを羽交い締めにしながら、必死に助けを求める。
すると、ヴァンが呆れたように息を吐いてエスナの前に来る。
「まぁ、少しぐらい甘く見てやれ。
俺達ならともかく、こいつらはお年頃だからな。遊びたいし、恋もしたい。お前だって分かるだろ?」
「分かりません」
即答すると、相変わらず紙に何かを書き続ける。そんな態度にクロードの羽交い締めから逃れたミアが再び言い寄る。
「お前という奴は……先月もタダ働きなんだぞ!」
「自業自得では?街中で戦い回った挙げ句に周囲を全壊させる。
本当なら給料一年分でも足りないぐらいなんですよ。これで済んでいる事に感謝して欲しいです」
「しかし……うぐぅ……」
理屈で固められたエスナの言い分にミアも言葉に詰まる。そんな背中を後ろから抱き締める影。
「大丈夫よ~。ご飯ぐらいなら私が奢ってあげるから~」
マリアが綺麗な赤髪に指を通しながら優しく言う。そんな申し出に振り返るミアは涙目。
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