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「……アランとハンナの救援?」
「珍しいな。アラン達がそんな要請をするなんて」
二人仲良く驚き声を上げる。そんな中、エスナ淡々とした様子。
「どうしても闇属性が必要なので、クロードさんへ要請を出したとの事です」
「そっか……なら行くしかないね」
そんな納得するクロードの後ろからヴァンが大きな包みを机の上に置く。
中から現れたのは大きな黄色い卵。
「忘れそうだった。ほら、ティグルスドラゴンの卵だ。
じゃあ、俺達は幹部会があるから行くぞ。アラン達のことは任せた」
クロードの頭を乱雑に撫でると部屋を後にする。マリアも小走りでそれに続いたが、扉の前で動きを止めて振り返る。
「あんまりイチャイチャすると~エスナが嫉妬しちゃうからほどほどにね~」
「なっ!私は……」
焦って立ち上がるエスナの言葉も聞かず、艶めかしい笑顔を残して部屋を去っていった。
「あっはは……じゃ、俺は行こうかな」
乾いた笑顔と共に逃げだそうとするクロードの肩をがっちり掴む手。
振り返ると、顔を真っ赤にしたエスナが物凄い形相で立っていた。
「ちっ、違いますよ!私は嫉妬なんかしてません!
モテないクロードさんが可哀想だからマリアさんは言ってるんです!」
「分かった!分かってるから!そんなに揺らさないで!」
「落ち着けエスナ!クロードが死んでしまう!」
二人の必死の説得で何とか暴走エスナを止めることに成功する。
「はっ、早く行って下さい!また減給しますよ!」
我を取り戻して真っ赤なまま叫ぶエスナから逃げるように二人は部屋を後にした。
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