暑い空気と冷たい木の棒

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「ご馳走様」 しばらく無言でカップアイスを頬張っていた 隣の少女が突如声を出した。 セミの鳴き声が響きわたる中、 なぜだか彼女のひかえめな 声は良く通った。 「美味しかった?そのアイス」 「うん、あたしこれ好きなんだ」 彼女は妙に大人びている。 普段の会話なんかも少し同級生とは 外れていて、でも何故か美由とは気が合った。 だけどこうしてアイスに夢中だったりする所は 小学生だな、と感じる。ギャップというのだろうか。 人気アニメの主人公のように歳をごまかしているのでは ないかと思うぐらい年上に見える時だってあるのに。
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