暑い空気と冷たい木の棒

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あたり棒は一本。 もらえるアイスも一本のはず。 「一本は買った」 「え!?私のために?」 「その二本がどっちも当たりだったら?」 「もう二本もらえるね」 彼女は既にアイスの袋を開けながら口を開いた。 「その二本は俺と隆の分」 「なるほどっ」 「そんなに簡単に当たりって出るの?」 くすっとした笑いもそのうち大きくなって3人で笑う。 パッケージのコミカルなキャラクターとそっくりに。 美由も袋を開けると爽やかなソーダの香りが鼻をかすめた。 「隆まだかなあ?」 「遅いね」 「もう約束の時間過ぎてる」 解け始めたアイスがほんのり水色の水滴で手を濡らした。
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