偽りの『普通』

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んで、学食。 まぁ、移動なんて書いてもダルいだけだし。 席も先発してた別の友達が確保してたからこまることはない。 と、言う訳で俺は一番安いうどんでガマンガマン。 金が無いもんで。 「なぁなぁ、学校終わったらカラオケ行かね?今日一日フリーなんだよ」 「全員分?」 「いいや、俺の分だけ。浮いた金は全員の金額から引けばいいっしょ」 「あー、だったら俺パスだな。今月ピンチだし、今日もバイトなんだ」 「オイオイ、付き合い悪いぞ?」 「悪いな。それより、最近夜物騒だから出歩かないほうがいいんじゃね?」 「ああ、噂の殺人鬼か。んなもん、居るかどうかも解らねぇし、居たとしても宝くじより低い確率だろ?」 「まぁ、そりゃそうだけどよ…………」 はぁ、思春期の餓えた身体はウドンごときのカロリーでは足りぬと腹の音を鳴らして抗議してくる。 まぁ、もう空になった丼を幾ら掻き回してももう中身は無いのだが。 貧乏なんて死んじまえ。
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