‐第①章‐

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「隼人…」   隼人は驚く。   (なんで俺の名前を…)   もう一度…   「隼人…」   男のような… 女のような…   隼人は意を決して返事をする。   「はい…」   汗が背中を流れる。   「隼人…は…や…と…」   「…はい…」   「篠山古墳…」   (篠山古墳…?あの…? それが…なんだよ)   まるで心を読まれたように、言葉がかえってくる。   「篠山古墳…篠山記念樹の足元… 掘って…」   (はぁ?掘るってなんだよ。なんで俺が?)   隼人は疑問を抱く。 だが有無を許さない口調。 きっと俺は…掘るだろう。     「…聖伝の場所… お願い…聖伝を…」   聞き取りにくい。   (聖伝?聖伝を…探せ?)   「…………そう……… 探して………して……」   (なんだよ、これ。 聖伝を探して? どーなってんだ? どーゆー意味だ?)       ふいに灯が消える。   声もしない。   あれだけ暑かった空間が、一気に冷え込む。     意識が…意識が…  
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