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「隼人…」
隼人は驚く。
(なんで俺の名前を…)
もう一度…
「隼人…」
男のような…
女のような…
隼人は意を決して返事をする。
「はい…」
汗が背中を流れる。
「隼人…は…や…と…」
「…はい…」
「篠山古墳…」
(篠山古墳…?あの…?
それが…なんだよ)
まるで心を読まれたように、言葉がかえってくる。
「篠山古墳…篠山記念樹の足元…
掘って…」
(はぁ?掘るってなんだよ。なんで俺が?)
隼人は疑問を抱く。
だが有無を許さない口調。
きっと俺は…掘るだろう。
「…聖伝の場所…
お願い…聖伝を…」
聞き取りにくい。
(聖伝?聖伝を…探せ?)
「…………そう………
探して………して……」
(なんだよ、これ。
聖伝を探して?
どーなってんだ?
どーゆー意味だ?)
ふいに灯が消える。
声もしない。
あれだけ暑かった空間が、一気に冷え込む。
意識が…意識が…
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