人間は忘れる

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2008年、9月1日。この日から私は26歳になった。 今の私は小さな会社でデザイナーという仕事をしている。 小さいころから絵を描くことが大好きだった私には天職かな…なんて思ったりなんかしているけど、毎日帰りは遅い…。ひどい時は明け方になるときもある。それで体調を崩す。無理しすぎちゃっている気もするけど、なんかがんばってしまっている。そんな26歳の誕生日だが、残念ながら、残業…しかも明け方に帰宅。締め切りに間に合わせる為だからしかたないのだ…。 ふと、10年前の自分が呼びかてきた。「無理はしないでよ!」「せっかくがんばって治った体なんだから。」 でも、良くも悪くも人間は、忘れる生き物なのだろう…。そしてまた同じ間違いを繰り返すのかもしれない。でも、私が10年前に経験したあの悪夢のような出来事は、常に私の心の中にあって、私を戒める。 時々、10年前の自分に恥ずかしいことをしているのではないかと情けなくなる。 でも、私はこれだけは自信を持っていえる。 「今という時間を私は精一杯大切に生きようとしている」ということ。
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