人間は忘れる

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先日、私の元に一通の手紙が届いた…。 宮井君のお母さんからだった。 昨年、宮井君が亡くなったという知らせの手紙だった。 亡くなってからの1年間は、おそらく宮井君のお母さんも、事実を受け止めることが難しかったのだろう…。 彼は今年、33歳になるはずだった…。 病名は「肉腫」だった。 私と彼の主治医が同じだったので、昔はよく励まし合った。 入院していて薬の副作用がきついときは、お互いを見舞いあった。 どんなにつらくても、彼は笑顔だった。そして私は、そんな彼を尊敬した。 いい人だったのに…。 自然と、涙があふれてきた…。認めたくなかった…。 でも、現実は現実だし、受け止めなければならなかった。彼の分も私は恥ずかしくないように生きなければ…。そう思った。 今こうやって普通に過ごせることがどんなにありがたいか…。 仕事をがんばれることがどんなにありがたいか…。 人間は良くも悪くも…日常のごく当たり前なことが幸せだっていうことを忘れてしまう。 そして1年1年年を重ねることを喜ばなくてはいけないんだとおもう。
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