第3章 小夜館の人々

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鮫「お?なんや~? 結構人おるやん?」 ミミズ「そやね~、ここの小夜館も人気出てきたんやね~」 鮫「ここの奴らはホラーに対して気合いが足らんから困るわ~」 ミミズ「ほんまやね~」 私はなるべく目を合わさないようにした。 目を合わしたら、鮫に食べられそうだったからだ・・ 鮫「ん?なんや、アンタら? 口ポカーンと開けて・・ ぬいぐるみがそんなに珍しいんか?」 普通、ホテルや旅館でぬいぐるみ着たコンビがいたらビックリするだろう・・ しかも、鮫とミミズって・・ 鮫「なんや、辛気臭いな! アンタら、単なるスキー客か、単なるコスプレマニアやろ!! ホラーの心意気が全くわかっちゃおらん!」 わかりたくもないが・・ ミミズ「そんなことより、ウチ早く食べたいわ~ ここの黒猫の呪いケーキ、めっちゃおいしいねん!」 黒猫の呪いケーキ・・すごく、食べたくない・・ 鮫「そやな!早よ、持ってこんかいな! ウチは腹減って死にそうなんや!」 お前は、海でビーチ客でも食ってこい・・ どうみても、ケーキってガラじゃないだろう。 ジョーズ女の声が聞こえたのか、慌てて冬美さんが黒猫の呪いケーキとやらを持ってきた。 大阪人め・・さすがだ・・ 冬美「遅れまして申し訳ありません、 黒猫の呪いケーキと、血まみれアップルティーです」 真っ黒なケーキと真っ赤な飲み物が目の前に出される・・ これを私に食べろというのか・・ 周りを見渡すと、みんな美味しそうにガンガン食べていた。 理子も例外ではなかった。 私は理子に「おいしい?」と聞くと、 理子はケーキ一個をペロリと平らげ、「おかわり!」と、冬美さんに言った。 私も恐る恐る、黒猫の呪いケーキを口にする・・ ん・・? あれ? お、美味しい!! 見た目に反して、かなり美味しい。 「お、おかわり!」 思わず私も、おかわりしてしまった・・ 何か負けたような感じがして悔しい。
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