雪女編・第5章

11/11
前へ
/473ページ
次へ
瑞穂さんと夏子さん以外は 全員一致か・・ 夏子「さようなら・・ みなさん、 がんばってくださいね」 夏子さんは ニコリと笑いながら そう言うと、よろめきながら 階段を上っていく・・ 未来「恨みなさんな・・」 未来さんが ふと呟く。 階段を踏みしめる途中で 夏子さんは吐血し、崩れ 階段を転がり落ちる。 そして、しばらくして ピクリとも動かなくなり 息を引き取った・・ 本当に夏子さんは 鬼だったのか? 未来さんの狂言だったら? いや、今はそんなことを 考えても仕方ない・・ 夏子さんの 冥福を祈るだけだ。 私たちはしばらく、 その場に立ち尽くした・・ お春さんが、ふと呟く お春「みんなとも今宵で お別れじゃのぅ・・」 そうだ、お春さんも ほぼ雪女側から 殺害されることが確定か・・ 采夏「まだ、わからない」 小町「そうですよ、 悲観することはないです!」 二人が、お春さんを慰める。 お春「いいんじゃ・・ どうせ、老い先 短いしのぅ 未来さん、殺すときは よく 頭狙って、 サクっと頼むぞい! カーカカッカッカ!」 申し訳なさそうに うつむいていた未来さんは お春さんの方を見て 無言で見つめあった後、 苦笑した。 お春「じゃあ、寝るかのぅ もう朝日は拝めないがの!」 未来「これ・・」 未来さんが何やら 薬のようなものを お春さんに渡す。 お春「ん?なんじゃ?」 未来「睡眠薬。 寝てる間に 苦しまずにやるわ・・」 お春「カーッカッカ! こりゃ、ありがたいのぅ! まあ、お手柔らかに 頼むぞい!」 そう言うと、お春さんは 私たちに背を向け、 何度も、 くわばら くわばら  と、言いながら 部屋へと戻っていく。 やがて、私たちも ため息をつきながら 部屋へと 戻っていったのだった・・
/473ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9554人が本棚に入れています
本棚に追加