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理子らしき声が聞こえる
「ねえ、起きてよ!
もう朝だよ!ねぇ!」
目覚めると、私は食堂にいて座っていた。
親の次に私の目覚めの悪さを知っている理子が強引に連れてきたのだろうが、私にその記憶はない。
私は周りを見渡した。
キッチンに由香オーナー、夏子さんがいた。
食卓には、ジョーズとミミズが朝食を美味しそうに、ぱくぱく食べていた。
さすが、大阪・・食い倒れの街・・
ふと、目の前を見ると
理子がかなり不機嫌そうに朝食を食べている。
私のことで怒っているのかもしれないと思い、声をかけた。
「理子、どうした?」
理子「どうしたも、こうしたもないわよ!!」
かなり ご立腹のようである・・
理子「スキーができないの!!
昨日の大雪で!
も~・・最悪!」
私は願ったり叶ったりと思い、おもわずガッツポーズをかましたくなったが、
理子の手前、やめておいた。
しかしながら、雪の神様に感謝の祈りを捧げるポーズだけはしておいた。
理子「しかも、いつ帰れるかも、わかんない」
「え?」
それはちょっと困る・・
理子「まず2、3日は帰れないらしい・・
吹雪が やまなかったら、最悪 一週間くらいのカンヅメは当たり前だってさ・・」
それは嫌・・
私は雪の神様への感謝の祈りを撤回した。
「でも、そんな宿泊するお金は無いよ」
恥ずかしながらキッパリと言ってやった。
理子「ああ、それだけはありがたいんだけど
由香オーナーが お金は食事代だけでいいってさ」
私は、昨日のポーカーの負けがひびいて、その食事代さえも危ういことに気がついた。
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