9552人が本棚に入れています
本棚に追加
/473ページ
由香「あの・・」
由香オーナーが声をかけてきた。
理子「あ、おはようございます!
宿泊代の件、ありがとうございます!」
由香「あ・・いいのよ・・
こういう場合は、他のホテルや旅館もそうしてるの。
どのみち、吹雪いてる間は新しい お客様も来ないしね・・」
理子「なるほど~」
由香「それよりも、冬美ちゃんと、小町ちゃん・・見なかった?」
その言葉を聞いた時、何かとてつもない予感がした。
理子「いえ、見てないですけど・・いないんですか?」
由香「旅館内のどこを探してもいないのよ・・
この猛吹雪の中、外に出るわけないし・・」
言われてみると、確かに外に居るわけはないなと思った。
ますます、嫌な胸騒ぎがしてきた。
急に食堂室のドアが勢いよく開き、
雪まみれになって全身真っ白な小町ちゃんが飛び込んできたと思うと、
勢い余って、壁に激突した。
ギャグマンガのキャラクターか、おまえは・・
その表情と彼女の慌てぶりを見て
誰もが これはただごとではないなと思ったに違いない・・
小町「大変、大変! 超大変!」
彼女は、息を切らしながら大変という言葉を放ち続けた。
由香「アナタ、今までどこ行ってたのよ!?
すごく心配してたのよ!?」
普段はクールな由香オーナーも、さすがに心配だったのだろう、
私たちが居るのも忘れた様子で声を荒げている。
小町「そ、そんなこと言ってる場合じゃないっスよー!!
大変なんですって!」
ジョーズ「何が大変なんや?
朝から煩い小娘やなー」
ミミズ「ほんまやね~」
その場にいた全員の視線が小町ちゃんに集中した・・
小町ちゃんは、私のテーブルから水をぶんどると、一気に飲み干し 2、3回咳き込んだ後に口を開いた・・
最初のコメントを投稿しよう!