第2章 ファーストステージ

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私は車の助手席で目覚めた。 目を擦りながら、ふと窓の外を見ると 眼下には、何もかも全てに雪が降り積もった雪原が広がっている。 そうだ、友達の理子に強引に誘われ、スキー旅行に連れてこられたんだった・・ いや、拉致されたと言うべきか・・ 何が面白いのか理解に苦しむスキーというものから やっと解放された私と、勝手に一人で楽しんでいた理子は 今夜宿をとる洋館を目指していたのだ。 理子「さあ~、着いたよ!ここだよ、この館!」 まるでお化け屋敷のような古びた洋館を指差し理子が、叫んでいる。 何、この館・・変わってるというか・・怪しすぎる・・ 明らかに昭和や平成から逸脱したような雰囲気がする洋館だった。 おそらく明治くらいに作られたであろう、その洋館は手入れはされているものの、 所々崩れ、何やらツタみたいな植物で覆われ、ある種、異様なオーラをかもし出している・・ 理子「ゴシックっぽくって、中々いいでしょ?」 理子の痛烈なセンスに軽い目眩を起こしながらも、 私は今夜ここに泊まることになるだろうと思うと、怖くて身震いした。 理子「雑誌で見て、気にいってソッコー予約かましといたんだ~。 結構有名で人気あるらしいよ~、この館!」 まあ、文化遺産並の建築物で ある意味、有名なのはわからんでもないが、 人気があるかどうかっていうと、かなり疑問に思う私であった。 理子「ねえ、あの女のコ、旅館の人じゃない?」 理子が目線を送る。 確かに、旅館の前でドラム缶で何かを燃やす雑務している若い女性が見えた。 今時、ドラム缶で燃やすって有りなのか?と、思ったが、この館なら有り得ることだなと思った。 彼女はこのクソ寒い中、汗を拭きながらドラム缶の前で何やら苦戦していた。 理子「あのドラム缶女にチェックインのこと聞くか~」 私たちは、彼女の前に車をややドリフトぎみに横付けした。 理子は車の運転だけは抜群に上手い。 湾岸の赤い悪魔とかいう 私なら自殺モノの恥ずかしいニックネームで呼ばれているくらいだ。 理子「あの~、すみません、ちょっと聞きたいんですけど~」 女「あ・・、はい?」 と、何だか不機嫌そうに返事をすると そのドラム缶女は私たちの方に振り向いた。
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