第2章 ファーストステージ

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第一印象は、かわいらしいという感じだった。 シャギーを入れた黒いセミロングの髪に、 大きな垂れ目、今更ながらのアヒル口。 純情ぶった軽いメイク。 何から何まで、 インチキなんちゃってアイドルっぽいスタイルでまとめられていて、 かえって嫌味な印象さえも受ける。 男受けは良さそうだが、 女受けは悪そうだ・・ パっと見ると かわいい女のコなのだが、何かしら危険なフェロモンを漂わしていた・・ そう、私は一瞬だが、彼女に死神を見たのだ・・ 理子「あの~、チェックインしたいんですけど~」 女「あ、ああ・・ チェックインっすね、中に居るカウンターの人に聞いてください~、 実は私もよくわかんないんすよ~、アハハ・・」 理子「は・・?」 女「あ、いや~、 実は私、3日前からここのバイト始めたばっかりでぇ~。 な~んにもわかんないんですよ~ 時給800円で女の子にこんな重労働・・ あー!もう、やめよっかなー!」 と、彼女は笑いながら言うとドラム缶に一発蹴りを入れた。 ドゴンと、ものすごい音が響き渡ると、 それに反応したのか、 館の玄関先でホウキを持った背の高い女性が近づいてきて、 凄い剣幕で叫んだ。 背の高い女「ちょっと! 小町!何遊んでんの? 早く仕事片付けなさいよ!」 ドラム缶女はビクリと飛び上がると、 「あ、冬美さん!はい!今すぐやりますです~!」 などと調子の良いことを吹き、また何か木のようなものを燃やす作業へと戻った。 ドラム缶女が小町、 背の高い女が冬美という名前らしい・・ しかし、小町って・・ 確かに少しくらいは、かわいいかもしれないけど、 小町って・・アンタ。 私は思わず彼女の名前に吹き出しそうになった。 冬美「まったく、トロいんだから・・!」 冬美は、いかにも性格がキツそうな顔をしていた。 金髪に近い茶色で長い髪、きつめのメイクはいかにも、元やんちゃ系ですと言わんばかりだ。 うん、怖いな・・この人が仕事の上司だったら、私は三日で仕事を辞めるだろう。
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