第2章 ファーストステージ

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私に稲妻のような衝撃が走った・・ 夏子と呼ばれた女性の風貌といったら、メイド?いや、ゴスロリ?V系? とにもかくにも、この小夜館にピッタリの格好ではあった・・ 理子「あれは、何のコスプレだ?」 理子もさすがに驚きを隠せない。 夏子さんはこちらに歩み寄ると、ペコリと一礼をし、「では、お客様こちらへ・・」 と、言い階段の方へと足を進めた。 このコスプレ女についていけばいいのか!? 何だかとっても不安なんだけど・・ 行く先には妖怪が待ってて食べられたりしないだろうか・・ 夏子さんの後について階段を上りはじめると、 改めて、怪しいオブジェなどが目につく・・ 鹿の首が壁に掛けられていたり、 作者の美的センスを疑うヘンテコリンな壺、 何が描かれているのか全く理解できない絵画。 遊園地のアトラクションか・・ここは・・ 理子「夏子さん、これは何ですか?」 夏子「ああ、それは毒蛇の剥製らしいですね、噛まれたら3秒で死ぬらしいです。気をつけてきださいね・・剥製でも夜中に動きだすことがあるらしいんですよ、ウフフ・・」 もう家に帰りたい・・ 理子「・・・・。 じゃ、じゃあ、これは?」 夏子「あ、それは触らないで! それは触る者には死が訪れると言われる呪いの鉄仮面です!」 なんでそんな危ないもん、こんなとこに置いとくんだよ・・ もう嫌・・ 夏子「あ、あそこに置いてあるのは実際使用されたギロチンですね。 すごい高価な物です。私もいつか手に入れたいなと思ってます。」 夏子「それで、この絵は作者がこの絵を書きあげた直後に自殺して 血がキャンパスに飛びうつった、血染めのラデンという絵です ほら、ここ!血がどっぷりついてるでしょ? いつ見ても感動しますね・・」 私は何も言わず、途中から耳をふさいだ・・ 夏子さんはその後も楽しそうに色々な恐怖オブジェの説明をし、 部屋につくまでに、5分で行ける距離を2時間の時間を要し、ようやくたどり着いた。 チャチなお化け屋敷より、よっぽど恐い。 ああ、そうか・・ やっぱり、この手のオカルトマニア向けの旅館なんだな・・納得した・・
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