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わがまま
好きなんかじゃないよ
好きだっただけ
だってそれは昔話だから
神話のように
微かに光るだけ
微かに痛いだけ
でもね
まだ目が醒めてるみたい
幼い幼いあたし
もう眠る時間なのに
頑として
目を醒ましてる
もうお終いなのに
いやだって叫んでる
だって
好きだったもん
だって
夢みたいな
ほんとうだったもん
どんなに痛くても
好きだったもん
そんな幼い幼いあたしは
ときどきあなたを
酷く傷付ける
それはきっと
あなたの胸で
眠りたいから
泣いて泣いて
あなたの襟を汚して
泣き疲れて
眠りたいから
それが
幼い幼いあたしの手をひいた
幼いあたしの
わがまま
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