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反省文用の原稿用紙と課題のプリントを大量に持たされた俺は、午後の授業が始まっている教室に帰り、帰り支度をした。
「また謹慎?」
クラスメイトの視線をちくちく受けて鞄にプリントを突っ込んでいると、またタカシが声を掛けてきた。
「あー、うん。」
どうやら数学の授業のようだが、俺には黒板の文字が何を表しているのかさっぱり解らなかった。
担当の教師は俺の存在を無視して、黙々と黒板に何かを書いている。
「ドンマイ。ガッコ終わったら家行くよ。何か買ってく?」
「いや、今日はバイトだから。」
「早速謹慎破る気まんまんかよ。」
「当然じゃん。じゃな。」
短い会話を交わして俺はタカシに別れを告げた。
珍しく重い鞄を無造作に肩に掛けて、俺はそのまま学校を出た。
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