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疑うことを知らない子供だった俺は、大人の欲の食い物にされたんだ。
同性とか、嫌悪とか、そんなことを超越したどろどろとした感情に苛まれた俺は、その頃から少しずつおかしくなっていった。
その人の言うことを聞いていないと自分はそこに居られないと信じていた俺は、日に日にエスカレートしてゆく行為に耐え続けた。
それでも耐えられなくなった俺は、とうとう爆発した。
蓄積され続けた黒くて重たい何かが一気に炸裂して、気付いたときには男の顔は原型をとどめていなかった。
周りにあったものでなりふり構わず、無我夢中で壊し続けたから。
それが初めて人を殴った瞬間。
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