傾いた世界の隠し方

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足音は規則的に正しく近付いてくる。 長い昼休みの間、ほとんど誰も利用しない図書室に 私はいた。 図書室を管理する人も先生もいない、図書室としては不思議な図書室。 近くに立派な図書館があるため、図書室に用のある人間はみんなそちらの図書館に行っているみたいだ。 古い本や、歴史の資料のような古びた本しかなく、利用者が少ないためか本の回転も遅い。新しい本なんて入ってこない。 だから、いつも私しかいない。 ...と思っていた。  
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