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俺はどうかしてるのか?
他人の気持ちなど気にしてどうする?
そいつに好かれようが嫌われようが俺には関係ないはずだろ?
そうして生きてきたじゃないか!
なのに、何故だ?
何故、こんなに苦しい!
何故、こんなに熱くなる!
俺は、自分が変わってしまうのが恐い。
俺は変化を求めてなんかいないんだ!
社交性? 信頼性? ハッ!
馬鹿じゃないか?
人当たりが良くて何だ? 他人に信頼されて何だ?
下らない。本っ当に下らない。
俺はそうして突き放した。
親だろうが、教師だろうが、同年代の人間だろうが。
だけど、何なんだよこれは?
いや、きっと解ってるんだ。
解ってるからこそ認めるのが恐い。
恋? 今まで俺が一番嫌いな感情表現の言い表し方だったはずなのに。
まさか自分が体験するなんて思わなかった。
辛い、苦しい、だけど……温かい。
楽になりたい。この苦しみから解放されたい。
そんな事を考えていたら、俺はアイツを呼び出していた。
俯くアイツに俺は何を言えばいいんだ?
クラスでは変人やら冷徹人間やら挙げ句にはロボットなんて言われてる俺が。
二時間後、俺は近くの公園で一人、最近覚えた煙草を燻らせていた。
俺は、強がっていただけなんだ。
人を拒絶し、自分を誤魔化していた。
俺から歩み寄れば少しは変わるかな?
アイツが謝りながら渡してきた飴を取り出すと、空はもう茜色に染まっていた。
その飴は甘い筈なのに、何故か悲しい味がした。
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