ひなたのひまわり

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    「もう直ぐ夏も終わるなぁ」 今年の夏は、今までに比べて特に暑かった気がする。 その夏もあと一週間もすれば、道行く人々や街中は秋色に染まるのだ。 季節が変わるっていうのは、何と言うか…淋しくなるのは私だけだろうか。 「陽向ー、あんた休みだからってダラダラしないの!」 「休みだからこそ、ダラダラしてんじゃん」 あんな都会の大学に通ってるあたしの身にもなってみてよ、と口を尖らせて言えば、あんたが選んだんでしょーが! と頭に拳が飛んできた。 我が母ながら、凶暴なお方だ。 私の家は、それはもう漫画に出てきそうなド田舎にある。 周りは田んぼや山ばかりだし、コンビニなんか車使って一時間の所に有るか無いか分からないくらいの距離にあるし、バス停も一応あるんだけど、一日に数台という少なさ。 一回乗り遅れたら、もうおしまい。 そんなド田舎に、私と母と父と愛犬で暮らしている。 勿論近くに学校なんて存在しないから、片道三時間かけて、私は都会の大学に通っていた。 毎日眠いのを我慢して起きてるんだから、休みの日くらいダラダラしたい。 そう思う事の、何が悪いと言うんだ。 「…あ、水やんなきゃ」ふと、毎日の日課を思い出した私は、勢い良く立ち上がる。 鼻歌なんか歌いながら、結構広い我が家の庭へと急いだ。  
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