数奇な日曜日

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 何故か日曜日は早起きをしてしまう。二度寝をしようにも、頭が完全に覚醒してしまっているので、引き上げた布団で息苦しくなってしまうだけだ。  壁に掛かっている時計は、もうじき6時を指すところだ。  ベッドから立ち上がり、一度背伸びをしてから、カーテンを開け放つ。  日が長くなってきたからだろうか。外の明るさに目を思わず細める。  一階の居間に入ると、早速ヤコブがボディタックルをかましてきた。 「こら、シット」  尻尾をパタパタと振って落ち着かないが、一応主の言うことは聞いてくれた。  飼い始めて三年になるコリー犬。人間に換算すれば、19歳くらいか。どおりで朝から元気なわけだ。私は18歳だが、とても朝一番から犬とじゃれることは出来ない。 「おはよう。今日も早いな」  食卓には父が掛けていた。その斜め向かいの席に腰掛け、寝起きの顔を両手で覆う。 「起きたくて起きたわけじゃないの。目が冴えちゃって…」  父は今日もゴルフか。あんな玉転がしの何が面白いのか、さっぱり理解できない。あれほど土地を浪費するスポーツは他に無いだろう。 「さて、カオリの顔も見たことだし、そろそろ行くか」  言って、食卓に乗っていたマグカップを取り、中に入っていたコーヒーを飲み干した。 「何の理由?それ」  私の台詞も聞かずに、父は居間から出て行った。バッグはあらかじめ積んでいたらしく、玄関の開く音がして、十秒後には車のエンジン音が響いた。 「行ってらっしゃーい…」  足元をうろつくヤコブを無視しながら、小さく独白した。
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