プロローグ

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そこで俺は自分が記憶喪失になっている事に気づく。 さっきからの違和感はこのせいか…。 医師は話を続けた。 「気分はいかがかな?よく眠れたかい?」 「俺はいったい…。」 「君は道の真ん中に倒れていたのだよ。」 俺が道の真ん中に倒れていた? 何が起こっているのかさっぱりわからない。 どうやら俺は気を失う前に何らかの原因で気絶したようなのだ。 医師が憶えていないのかと聞いてくるが、ここは正直に答えた。 医師は看護師の方に振り向き何かをブツブツと話し始める。 「脳に強いショックがあると思われる。多少の記憶喪失が見られる。恐らくは――が、目の前で…。」 よく聞こえなかったが医師と看護婦が何か小さな声で話しているのがわかった。 「先生、―――の事はまだ白亜君には…。」 「わかってる。」 医師が頷くのが見える。 俺の事というのは間違いないが、やはり上手く聞き取れなかった。 もしかして俺の記憶喪失と何か関係してる話かもしれない。 教えてくれる筈はないが俺は医師に聞いてみた。
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