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「そーちゃん、体操服貸して~」
陽気な声と共に現れたのは俺の弟、晃太だった。
高校に入学してようやく1ヶ月が経とうとした5月。本当なら別々の高校へ進学をしていたはずだったけど、晃太は偏差値的に無理だと言われた俺の受験する学校に奇跡的に受かった。
奇跡的、というのは不適切かもしれない。
晃太とは双子だ。
一卵性だから身長も体重も一緒だし運動能力も同じだ。
けれど、極端に人と関わるのを嫌っていた時期があり、中学の時は不登校気味だった。
その時に親が家庭教師を雇った。
おかげさまで人並みの学力を取り戻し、こうして今も同じ学校へ通っている。
―‥までは良かったんだ。
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