親友の証

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入学式は滞りなく終わった。 入学したのは今年6歳になった31名。 国守になるため…いや、ならされるために必ず学校へと入学させられるのだ。 学校はマザーと呼ばれる者たちが子供たちの勉強から武芸に育成の全てを叩きこめられるのだ。 ゆえにフランベル学校では寮が設けられ、子供たちはそこで生活していくのだ。 子供たちには実の親のことは隠されている。 育成を習得したマザーやファザーが子供たちを赤ん坊の頃に引き取り、6歳になるまで育てるのだ。 この世界の人間は人生でただ一人しか子供を作れないのだ。 長年の遺伝子異常によってそうなってしまったのだ。 実の親が子供を育てられないのには訳がある。 それは国民の大人全てが殆ど国守となるからだ。 国守となった親も自分の子供がどうなったかまでは知らされない。 しかし国民にとってはそれが普通なのだ。 女であれ戦う者は沢山いる。 大概はマザーになるものだが、腕を鍛えた武術を国守として使うのだ。 「お前の秘密知ってるぜ」 寮へと案内される最中にアキラに話しかけてきた少年がいた。 「何?あなた、アキラくんに近づかないで!」 キヒラが怒鳴った。もしかしたらアキラの翼の事を知ってるのかもしれないとふみ、阻んだのだ。 「赤い髪のお前も見たことあるぜ。二人して夕焼けの草原にいたろ?」 金髪の少年が言った。 やはり草原でキヒラに見せた翼の事を知ってるようである。 「キヒラいいよ。ところで君誰?」 冷静にアキラは聞いた。 「俺か?俺はこの国一の武術家になる男だ。将来はアザイ様の護衛につく国守になるんだ」 「で、秘密って?」アキラが聞いた。 「お前、吸血鬼の末裔なんだってな」 少年はアキラの耳元で囁いた。
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