親友の証

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「吸血鬼の末裔だと言うことが気に食わないのか」 アキラが鋭い眼光で少年を見た。 「おっと、俺は別に誰にも話したりはしないさ。ただお近づきになりたとおもってね」 少年は慌てて繕いだ。 「お前、面白いな。俺と友達なろうぜ」 アキラとキヒラは少年のあどけなさに呆れもし、裏切らないかと考えを巡らせた。 「あなた、アキラくんに近づいて何を企んでるの?」 キヒラが問い詰めた。 「吸血鬼の末裔とは言え人間よりはるかに力はある。俺はそう言うやつに興味があるのさ」 アキラはこの少年の瞳をじっと見つめた。 「いいよ。じゃあ友達でいいな?お前の目は嘘を言ってはいない。名は?」 「名はリク。武術を習得し、アザイ様を守るために国守になる男だ」 少年リクは金髪にグリーンの瞳に白の衣服をまとっていた。 表情は落ち着いたアキラとは違い柔らかい感じの少年だ。 「私はキヒラ。アキラくんの友達よ。もしアキラくんの正体を明かすことがあれば私が容赦しないわ」 キヒラは今ひとつ納得は出来なかったが、大好きなアキラが認めたのだから仕方ないと自分に言い聞かせた。 そう話している間に寮の部屋へと案内されることとなった。
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