LHR

2/10
前へ
/52ページ
次へ
    新任式と始業式は終了して、俺達はクラスの中。       2年1組       エイプリルフールなんてずっと昔に終わったって言うのになんの冗談だよ。     深いため息を漏らした俺に隣の席の上野が話しかけて来る。     「担任、あのツートン頭だろ?ラッキーだよな」     「え?」   外村ショックで耳まで患ったのか?俺。     「だって、面白い奴だったじゃん。校長にあの態度は強過ぎだろ」     そりゃそーだ。     「なんか校長に歯向かい過ぎてすぐ馘になりそうだよな」     「あーww確かにww」     奴ならやり兼ねない。   つーか、一刻も早くそうしてくれ。     大嵐を予兆させる曇天を前に俺は気付いてた。   無変化なんか退屈なだけだと思ってた。     でも、俺が求めてたのは波瀾万丈なんかじゃなく安穏としたリフレインの日々だったってこと。           台風の目が、   教室の前のドアから入って来た。        
/52ページ

最初のコメントを投稿しよう!

92人が本棚に入れています
本棚に追加