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『久保琢郎です。』
でけえ。180以上はあるな。
『新卒なんで、まだまだ判らないことだらけだけど、よろしくお願いします。』
当たり障りも面白みもねぇ。
つーか、なんかに似てるな、こいつ。
『担当するクラスは3-1で…………よろしくお願いします。』
はいはい。本日2回目。
自己紹介終了かよ。
「面白くねーぞ!!!琢郎!!!」
は。
『なんだよ!!!!別に自己紹介に笑いは求めてねぇよ!!!!』
「バカ野郎-お前は求めて無くてもここにいるガキ共は求めてんだよ。見ろ。あのヒマそうな顔」
久保は思わぬ横やりに叫びかえした。
叫び返される相手は同じ壇上にいた。
新任教師の1人。
ほんとに教師か、こいつ。
黒い艶髪の半分は金髪で肩上のストレートの髪。
しかも色眼鏡。
そいつは久保からマイクを奪い、
「俺が紹介してやるよ」
は!!???
式台の上で不敵に笑った。
『はい、聴け諸君。さっきのこのバカの自己紹介じゃ退屈だっただろ』
確かにな。
『その前の校長の式辞も退屈だったのにな』
「何だとォォォ!!!!????」
校長が叫んだ。
『つまんねーだろ、実際。お前とか式辞の長さでギネス乗りたいだけだろが』
「そんなことないもん!!!」
乗りたかったのかよ!!!!
赤面すんな、ハゲ!!!
『いーか、久保琢郎、22歳独身。さっきからなぁんか腑に落ちない顔してる奴、教えてやるよ』
そこで体育館を見渡した。
てか、誰もこの金パ止めやしねえ。
いいのか。
『こいつ見て既視感に囚われただろ。何かに似てるて』
うん。
体育館の隅で校長がコクコク頷いてる。止めろよ、バカ。
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