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南城家~リビング~
「それでは奥さん、家宅捜索を始めてよろしいですね?」
「・・・はい・・・。」
こなきはあの後、かなみに頼んで南城家の家宅捜索をするようにお願いしたのだ。
「先生の頼みなら多少の無理でもなんとかしますよ。」
「頼む。」
「始めろ。くまなく探せ。必ずどこかにあるはずだ。」
「はい‼」
「お母さん、何で私のおうちに警察がいるの?何も私たち悪いことしてないよね。」
「大丈夫よ、ゆたか。すぐに帰ってくれるわよ。」
捜索が始められて10分
「かなみさん!見つけました!母親の寝室にありました!」
「そうか!よくやったぞ!」
「ねぇ、何があったのお母さん?・・・お母さん?」
「ゆたか、お母さんしばらく帰ってこれないから家のことよろしくね。」
「何で?本当に何があったの?」
「見たいか。そんな母親を見て心配する気持ちも分かる。吹っ切るためにも母親のしたことを知るのも一つの勉強だぞ。」
「うん。わかった。」
「よし見せてやる。こっちに持って来い」
「はい‼」
かなみに言われて部下に持って来させたのは、建築会社が使うような揺れを人工的に作る機械だった。
「決定的だな。」
「・・・私があのコギャルを殺しました。」
「なんで?嘘だよね、お母さん?」
「ううん、私が殺ったのよ。」
「どうして・・・何でなの?」
「ただ、あのコギャルがゆたかに悪影響を及ぼしかねないと思ったから・・・」
「そんな理由で殺したのか。なんて身勝手な奴なんだ。」
「さあ刑事さん、早く私を捕まえて連行してちょうだい。あの娘の悲しむ顔は長く見たくないから・・・」
「連行しろ。」
「はっ!」
「お母さん・・・早く戻ってきてね。」
「頑張るわ。」
こうして親子は離ればなれとなって、事件は終わりを迎えた。
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