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大神家~応接間~
「つまり、娘さんは学校帰りに誘拐されて犯人から電話がかかってきたと。」
「はい。15時30分くらいに電話が鳴って、誰からかなって思いながらでたら犯人からで・・・」
「それで、犯人はなんと言っていましたか。」
「確か、『娘はこの時の魔術士が預かった。返してほしくば現金で1億円用意しろ。受け渡し場所は後で連絡する』と。」
「おかしい、奴は金を要求するような真似はしなかった筈だ。となると、さっき電話をかけてきたのは『時の魔術士』を名乗る別人ということになるのか?」
「せや!あいつはそんなセコい真似はせーへん。自分のやることにきちんとした信念を持っているいわゆる紳士みたいな奴や!」
「いきなり何だコイツは、びっくりするじゃないか。」
「先生、この人は主に誘拐・窃盗事件を担当している白井ななこ警部補ですよ。私より階級が上なんですから粗相のないようにしてくださいね。」
「かなみ、あんたの隣に座ってる人は誰や。部外者ならさっさと追い出してほしいわ。」
「ななこ警部補、この人は部外者じゃありません。今まで色々と事件解決に協力してくれているこなき教授です。」
「ほう、あの噂のな。ほな勝負しまへんか。」
「勝負?」
「せや。どっちが早く犯人を捕まえられるか勝負や。教授らしく物理でも科学でも使って見つけてほしいものですな。」
「上等じゃないか、良いだろう。受けて立つ。」
「ち、ちょっと二人共~!」
こうして二人の対決は始まった。
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