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「……本当に大丈夫なんだろうな? なんかだんだん不安になってきたんだけど」 この男は余裕綽々で歩いているわ人の話は軽く流すわで、ことの重大さをまるでわかっちゃいない。 これでも一応、フェルナンドはミッドガルド王国の王子――しかも一人息子だ。 脱獄なんてただでさえ大事なのに、その脱獄犯が第一王子とくれば国王が黙っているはずがない。 想像を絶する数の追っ手をけしかけるだろうことはフェルナンドにも容易に想像できた。 だが、ディムはこの期に及んでまだ余裕を失わなかった。 「なんだ、まーだそんなこと気にしてんのか。それなら心配いらねえよ」 そう言った途端、みるみる内に邪悪な表情が広がっていく。 「……もしかしてあんた、なにか良からぬことを企んでるんじゃ……」 「ふふん。そのまさかだ」 「いっ、一体何を……」 もはやあんぐりと口を開けて次の言葉を待つしかなかった。 間抜けなフェルナンドの顔に満足げにニヤつきながら、ディムは無駄に勿体つけて言う。 「ふっ、聞いて驚け。なんと! 城中の至る所にディム・ロイド特製時限爆弾を仕掛けて――」 「アホかお前は!」
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